NHK教育TV『平成若者仕事図鑑』で、「非破壊検査員」として、弊社社員が取り上げられました。

モノを壊さずに内部を調べる仕事「非破壊検査員」。

 工場やプラントの機器・パイプライン・橋・トンネル・マンションなどの壊して調べるわけにはいかないモノの安全性を、放射線・赤外線・超音波などのハイテクを駆使して調べる専門家です。 今回の主人公は、石油化学コンビナートが集まる三重県・四日市市の非破壊検査会社に勤める壷田肇さん(30歳)。入社9年目の壷田さんは、去年から主任検査員として、検査全体のスケジュール管理や、現場での依頼先との交渉にあたっています。
  今回、壷田さんが担当するのは、金属加工工場で製造された巨大なパイプの溶接部の検査。特殊な薬品を使い、溶接が不十分な部分をあぶりだしていきます。出荷時間が迫る中、最後の最後まで妥協せず検査を続ける壷田さんの姿を通して、社会の安全を支える知られざる仕事・非破壊検査員の仕事に迫ります。

壊せないもの、壊したくないもの。 お任せください。
非破壊検査員が調べます。

■ 非破壊検査員とは?
 非破壊検査員は、壊せないもの、壊したくないものを調べるのが仕事です。
 日本全国の各地にある巨大な石油化学コンビナートや工場。その中に張り巡らされたパイプや製造タンクは長く稼働していると劣化していきます。表面に傷などがあれば、見てすぐにわかりますが、内部の異変は分かりません。知らないまま放っておくと大事故につながる可能性があります。
  そこで、非破壊検査員は超音波・赤外線・放射線などを使って、見えない内部がどうなっているのかを調べ、欠陥があればすぐに報告し、事故が起こるのを未然に防ぎます。“モノが安全に、そして正常に動く”と太鼓判を押すのが、非破壊検査員の役割なのです。

全国の状況・今の状況

 日本全国に非破壊検査業務を専門にしている会社はおよそ400社、非破壊検査員は3万3000人と言われています。検査の種類は大きく2つあります。工場やコンビナートなど各施設の定期検査と、工場から生まれる製品の出荷前の検査です。いずれも「この先に使っても安全かどうか?」を目的に非破壊検査を行います。最近増えている依頼は耐震偽装事件の影響で、マンションや住宅の耐震性を調べる検査です。
 安全性を確保するための技術である非破壊検査。様々な工業製品や各設備を、それらの安全性を確認しながら可能な限り長期間にわたって利用することは、廃棄物を減らすことにもつながっていきます。自然環境を維持するための有効な技術の1つとしても期待されています。

どんな人が向いてるの?

 非破壊検査員に必要なもの、それは「粘り強さ」です。それが安全かどうかを何度も何度も繰り返し徹底的に調べるという気合いが大事です。
 また超音波や放射線を使う検査ではセンサーを当てる角度の微妙な違いによって、ほんの小さな欠陥が見つかる場合があります。そのため検査員には職人のような繊細さも求められます。もちろん「安全であることを保証する」という、社会的な使命感も持つことも必要です。

非破壊検査員になるには?

どうすれば非破壊検査員に?

 非破壊検査員になるには(社)日本非破壊検査協会が出している検査業務に関する資格を持つことが必要です。資格は現在6種類あり、それぞれ難易度によって3段階に分かれています。資格を増やすことで、検査範囲が広がります。
 資格試験では超音波や放射線など取り扱う機器類の仕組みが問われます。そのため高校卒業程度の物理の知識が必要です。ほとんどの人は会社に入社後、検査補助をしながら、試験を受ける場合がほとんどです。

ステップアップの道すじ

 最初は先輩の検査員とともに、その指導のもと、正確な検査技術を身につけていく期間です。現場で経験を積みながら、検査の幅を広げるため、少しずつ、資格を取得していきます。
 5年ほど経ち技術が認められると主任検査員という現場の責任者として仕事を担当していきます。その後は、多種多様な検査を行うオールマイティな検査員か、「放射線検査を専門にする」といった各々の検査でのスペシャリストになるかを決めていくケースがほとんどです。

■ 収入・待遇は?

収入のめやす

 壷田さんの会社の場合は、大卒で20万円です。
 また多くの会社では資格の数によって給料は変わっていきます。

生活サイクルと休日

 勤務時間は検査する種類によって変わります。放射線検査などは、人がいない時間に実施されることが多いので勤務は夜になります。
 壷田さんの会社は基本的に、土・日が休みですが、大規模な検査や、期間限定の検査などの場合は、休みが無くなることもあります。

■ 仕事の味

おいしさ

 壷田さんたち非破壊検査員は、欠陥を発見し、それが直されて安全が確認されていくことが一番のやりがいと言います。依頼先から感謝されるのはもちろん、自分が事故を未然に防ぎ、社会の安全を保つのに役立っているというプライドを強く意識する瞬間だそうです。

苦さ

 高い所、狭い所、暗い所、暑い所。様々な危険な場所で検査しないといけないというのが非破壊検査員です。慣れるまでは大変です。そのため、検査は好きだが、現場に慣れずに辞める人も少なくないそうです。
  最近は検査機器のデジタル化、小型化が進んだため、遠方からの検査が行えるようになり、危険な場所での検査も減りつつあるそうです。

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